[五感で涼をとる]怪談やお化け屋敷で涼しくなる理由

obake

 

夏休みも残り2週間、子どもたちもそろそろ退屈し、暑さでダラけてきています。背筋のゾクゾクとするような怪談話でもしたら、シャキッとするかしら? 今回は、怪談・お化け屋敷で本当に涼しくなるのか、帝京大学大学院公衆衛生学研究科の中尾睦宏教授に聞いてみました。

怪談で夏の暑さを払拭できる?

夏に怪談話がもてはやされるようになったのは、江戸時代からだと言われています。現代でも、夏になると怪談やミステリードラマなどが話題になりますが、本当にひんやりするのものなのでしょうか?

「某テレビ番組で実証実験をしたことがあります。寄席で”怪談話を聞かせるグループ”、”通常のお題目を聞かせるグループ”の2つに分けて、体感温度と皮膚表面温度を比較しました。

室温は一定に保っていたのですが、”普通のお題目を聞かせるグループ”の平均体感温度は変わらなかったものの、”怪談話を聞かせたグループ”の平均体感温度は下がっていき、両グループの差は4度以上と言う結果になりました。

怪談話を聞くと、程度の差はあるのでしょうが、主観的にも客観的にも確かにひんやりするようです」(中尾教授)。

自覚的な体感温度が変化しただけではなく、サーモグラフィーで測定した手ひらの皮膚表面温度でも、怪談話グループは低下していたそう。

なぜ人は怪談を聞くと涼しく感じるの?

「怖い話を聞くと脳で〈恐怖〉を感じます。

脳は不安・緊張・恐怖などを感じると、危険を知らせるアラーム信号を発し、自律神経系やホルモン分泌系の経路を通じて〈逃走・闘争反応〉という全身反応が起こります。

そして、四肢など大きな筋肉には血液を重点的に送って、体をすぐに動かせる状態にします。

すると、体表の近くや手足の先など末梢への血液循環が相対的に少なくなるので、末梢血管は収縮します。すると体が冷えた感覚が生じる訳です」(中尾教授)。

この現象は一種のストレス反応。一時的な刺激ならいいのですが、常にこの反応が起き続けてしまうと問題になります。つまり、怪談話やホラー映画も、ほどほどに、ということかもしれませんね。

怪談などが怖くない人は、涼しさを感じないの?

「恐怖を感じる対象は人によって様々です。怪談話を聞いても全く恐怖を感じない人は、あまり涼しさは感じないでしょうね」(中尾教授)。

効果音や話し手の話術などによって怖さの程度は変わりますから、作り手・語り手の手腕が問われるところです。

お化け屋敷でのゾクゾク…涼しさを感じる?

「怪談話と同じ理屈で、末端神経の血管の収縮で涼しくなると考えていいのですが、お化け屋敷の場合、何が飛び出して来るのか予想できないので、感じる〈恐怖〉はひとしお。部屋が暗いので、閉所恐怖がある人には、一層怖い刺激となります。

是非、お一人でなく、同伴者と一緒に楽しんで下さい。〈キャー〉と叫ぶ行為そのものは、恐怖を軽減しようとする防御反応なので、涼しくなるというより、少しは安心するといったところでしょうか。

ただ、隣や遠くの人にとっては、叫び声を聞くと恐怖がまた増幅するでしょうね」(中尾教授)。

想像を掻き立てるという点で、お化け屋敷や怪談の「ヒュ~」や「ドロドロ~」といった聴覚効果もあなどれないとのこと。

このように怪談やホラー映画、お化け屋敷は、体を涼しくさせることが科学的にもわかっているようです。

程度の大小にもよりますが、ほどほどに取り入れて、涼を感じてみてはいかがでしょうか?

取材協力:帝京大学大学院公衆衛生学研究科 中尾睦宏教授

写真:Thinkstock / Getty Images

文:

※この記事の内容について、花王株式会社は監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の責任において行ってください。
詳しくは、当社の「ウェブサイト利用規定」および「『マイカジスタイル』コンテンツの利用規約」をご覧下さい。

debug 2017-08-21 23:03:08

関連記事

あなたのカジスタイルを見つけよう!