【コラム】豆まきが、だらけてきている。

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だらけてきている。

昔って、豆まき、けっこう本気でやってませんでした?私の子どもの頃は父親が鉄鍋で豆を煎り、アッツアツの豆を持って玄関から外へぶち撒け、「おにはーそとー!!」と怒鳴っていました。邪気を家から追い出さんとする確固たる決意は子どもの私も伝わり、見えない何かが玄関から逃げ出して行くような、そんな妄想をしながら、私も、鬼が再び戻って来ぬよう、玄関を長いこと睨みつけておりました。
邪気を追い払い、無病息災を願う神事。邪気との戦いに、ぼくたちは勝ったのです。開け放たれた玄関からは夜の冷気が入り込んできます。でも、それはどこか穏やかで、明日の春を予感させました。私の豆まきは、そのような思い出です。

妻と暮らすようになって、あれ?と思ったのは、妻が、「大豆 レシピ」で検索してるのを見かけたとき。

「豆って余るじゃん。あれどうにかおいしくできないかなって」

マメッテ・アマルジャン。
邪気との戦争を前にして、なぜこの人は戦後のことを考えているのだろう。油断を通り越して、すごい大局観を持った政治家、みたいな感じはちょっとあるよね。まだ戦ってもないのに戦後処理のことについて議論するのってかっこいい。チャーチルみたい。イメージで言ってますけど。戦後の余る豆問題について、各国の主要な主婦たちが空母上に集まって会談したいですね。でも主婦ばっかりだから、そのうち旦那うざいとかの話で盛り上がっちゃって全然会議進まないの。ライン交換はじめたり。そもそも何の会議なのか良く分かんないから全然いいんですけどね。
ちなみに、大豆レシピをちょっと見てみると、大豆ふりかけに、大豆キャラメルバーなどなど。意外とうまそう。

そんなこと考えているうちに、妻は大豆を20粒程度ずつ小分けにし、ラップでくるみ始めました。

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「そのまま撒くと掃除大変じゃん。こうやって撒いたら散らばらないでしょ」

ソウジ・タイヘンジャン。
邪気との決戦が今夜始まるというのに、周辺環境に配慮している。益々素晴らしいですな〜。「全軍砲撃用意!ただし樹木は大切に!」みたいな。手榴弾の取っ手に「プラ」みたいな。土に還る銃弾。クリーンエネルギーの戦車。我々が生きるか死ぬかも大事ですが、地球という大いなる生物が死んだらお終いなのです。
さあ、はじめましょう。サステナブルな戦争を。

何の話でしたっけ。あ、ちなみに、子どもが生まれてからは、豆の個包装パックをそのまま投げています。ラップだとたまに破れて散らばり、赤ちゃんの誤飲の可能性があるためです。

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えっとねえ、いやまあ、誤飲はほんと気をつけたほうがいいのでアレですけど、はっきり言っていいですかね。これは油断です。完全なる油断。毎年、邪気は追い払われてきた。これからもそうだろう。今日も太陽は東から上った。明日も太陽は東から上るだろう。それが油断なのです。

 

邪気側も、「あれ?最近、人間の圧が弱まってきてない?」ってのは薄々感じているのではないでしょうか。江戸時代くらいまでは毎回バリッバリに豆を投げられたから、もうなんか惰性で「ギャーン!痛い死ぬー!」みたいな感じで逃げまわってたけど、去年あたり「ギャーン!…ん?個包装?」みたいな。「しかも、豆アソート?おせんべ入ってる?」みたいな。

邪気が、人間の油断に気づいてしまったとしたら。

勝てるかもしれない。勝てるかも、しれない!平安時代、祈祷師に「魔目」で目を打ち潰されてから、魔目を見ると体が逃げてしまう。
1300年の間、ただひたすらに逃げ、負け続けてきた。しかし、ここで遂に人間側に慢心が生まれた。「魔目」を個包装パックにした。そんな馬鹿な話があるかって?無敵の武器を個包装パックにする愚行を誰が犯すのか?ところが事実なのだ。それが、1300年という時の長さなのだ。

とか思ってたんですけど、上の子がふざけて俺に向かって個包装の豆を投げてきて、それがわりと痛くて、「アダダダ!」程度には痛くて。個包装のギザギザが、刺さって、わりと痛いの。なんなら素の豆よりも痛いかもしれない。

これはこれで、良い感じの武器。人類の時代はもうちょっと続きそう。

○ヤスノリ プロフィール○
1997年からWebサイトを運営しているインターネットの化石です。5歳の息子と、2歳の娘が居ます。普段は、おいしいカレーはなんでおいしいのかな、とか、そういうことを考えています。
 
 
写真:ヤスノリ

文:

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