なぜこわい?PM2.5が私たちの身体に与える影響

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2013年1月、特に九州地方でPM2.5の基準値を超過したことで、「今年もまた……!?」と不安になる人も多いのでは? 目に見えないからこそ怖いPM2.5だけれど、よく知りもせずに警戒するのはもっと怖い。

そこで、PM2.5とは何か、どんな健康被害が予想されるのか、東京大学大気海洋研究所の中島映至 教授、鶴田治雄 特任研究員、国立環境研究所 環境健康研究センターの上田佳代 主任研究員にお話を伺いました。

PM2.5とは何なのか?

「大気中に浮かんでいる微粒子を大気エアロゾル(大気微粒子)といい、PM2.5はそのうち直径2.5μm(マイクロメートル。ミクロンとも呼ぶ。2.5μmは2.5mmの1000分の1)以下の粒子の総称です。

PM2.5には、大気中に工場や自動車から排出された二酸化硫黄(SO2)ガスが大気中で光化学を起こしてできた硫酸塩エアロゾルが含まれています

また、工場や自動車からは、黒いススや有機炭素系化合物が直接、大気中に排出されます。さらに、光化学スモッグ中では、有機炭素系化合物が生成されます

これらの3種類の化学物質は、非常に小さい粒子で、PM2.5に含まれる主な成分です。なおPM2.5は、物を燃やすと排出されますので、たばこの煙にも含まれています。

さらに、黄砂や火山からの排出物にも、PM2.5が含まれていますが、もっと大きい粒子の方がたくさん含まれています」(中島教授)

一般的に、スギ花粉が約30μmなので、花粉に比べると非常に粒子の小さな物質であることがわかりますね。

PM2.5が体に及ぼす影響とは?

2.5μmという非常に微細な粒子のために、肺や気管支など呼吸器系に到達しやすく、健康被害を引き起こすことが考えられます。具体的には、どんな影響が考えられるのでしょうか?

「とりわけ、呼吸器疾患(喘息など)や循環器疾患(心臓病、脳卒中など)に対して影響があるという報告が数多くなされていますが、人体への影響の出やすさには個人差があり、お子さんや高齢者には影響が出やすいと考えられているほか、もともと喘息などの呼吸器疾患や、心臓病などの既往のある人にも影響が出やすいと考えられています。 

長期間、PM2.5濃度が高い地域に住むことにより、それ以外に住むよりも肺がんにかかる可能性が高くなるということも指摘されています

2013年10月にWHOの国際がん研究機関より、大気汚染物質は発がん性があると発表されたことも、記憶に新しい出来事です。

花粉症と大気汚染との関連については、まだ知見が少ないため、はっきりしたことは言えませんが、大気汚染濃度が高い地域は、低い地域に比べると、花粉症やアレルギー症状(鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、咳込み…など)の出現が多い可能性があるとの研究報告も出ています」(上田主任研究員)

まとめ

  • PM2.5とは、工場や自動車から大気中に排出された二酸化硫黄ガスから光化学反応で生成された硫酸塩エアロゾル、また直接排出されたススや有機炭素系化合物、さらに光化学スモッグ中で生成された有機炭素系化合物が主成分。黄砂や火山からの排出物にも含まれます。
  • 微細な粒子のために、肺や気管支など呼吸器系に届きやすいため、喘息や心臓病、脳卒中などに影響があるという報告があります。
  • 特にお子さんや高齢者は、大気汚染濃度が高い日の外出には気をつけましょう

 

【取材協力】
東京大学大気海洋研究所 中島映至 教授
東京大学大気海洋研究所 鶴田治雄 特任研究員
国立環境研究所 環境健康研究センター 上田佳代 主任研究員

文:

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