夏休みの宿題、子どものやる気を引き出すコツは?

 

夏休みも残り1週間。最近では、娘の顔を見るたびに、「宿題は終わったの?」が口グセになっています(苦笑) 。近頃、自由研究を親がすべてやってしまうケースや、「宿題代行業」なるビジネスも登場していると聞きます。

これに対して、教育評論家で元小学校教師の親野智可等(おやのちから)さんは、「目的のためなら手段を選ばなくて良い、という発想を子どもに植え付けてしまう」と警鐘を鳴らします。どうしたら子どもにやる気を出してもらえるのか、声かけやサポートのコツを聞きました。

子どものやる気スイッチをオンにする5つの方法

毎日ダラダラする子どもに、親のイライラはMAX!感情的な言葉で注意しても、子どもは余計にやる気をなくしてしまい悪循環です。親野さんのアドバイスの下に、子どものやる気を引き出す声かけの仕方や対処法を紹介します。

宿題に必要な用具を机の上に準備させる

宿題は取りかかるときがいちばん大変。やり始めれば半分終わったようなものなので、取りかかるときのハードルを下げることが大切です。

夏休みの涼しい時間に宿題をやるお子さんが多いと思いますので、お母さんが朝食を準備している間に、子どもには宿題に必要なものを机の上に出してもらい、ドリルの中身を開き、下敷きを敷いて準備をさせます。そのときにやる気になれなくても、準備をしておくことで宿題に取りかかるハードルがぐーんと下がります。

さらに一歩進めて〈とりあえず一問方式〉も効果的です。「先に遊んでもいいけど、算数プリント一問だけ、漢字書き取り一字だけ書いておこう」と声をかけます。

「一問だけなら…」と子どもは取り組みます。すると、そのページの全体が目に入るので、全体量が分かって終わりの見通しがつき、本格的に取りかかるときのハードルが下がります。

ときには、一問やると、そのまま二問、三問、半分…あるいは全部やってしまうこともあります。

否定的な言葉は避け、正論よりも子どもに共感を

「子どもが『今日は疲れちゃった。宿題やりたくない』と言ったら、ほとんどの親は『何言ってるの! 宿題ぐらいちゃんとやらないとダメでしょ!』と叱ると思います。これらの否定的で感情的な言葉は、子どものやる気をなくすだけでなく、勉強=つまらないという認識につながり逆効果です。

こういうときは、「本当に大変だね」「宿題、イヤになっちゃうよね」と共感してあげてください。それだけで子どもの気持ちはラクになります。

そして頃合いを見計らって「手伝ってあげるから一緒にやろう」と声かけをします。子ども自身も、やらなければという気持ちがあるので、意外と素直にやり始めてくれるものです。

「しなきゃダメ」という否定的な言葉は、「するといいよ」と肯定的な言い方に変えることが大切です。また、できたときには褒めることも忘れないでください。

単純な計算問題でウォーミングアップ

宿題を目の前にしながらなかなか取りかかれない子には、その子に応じたウォーミングアップを用意してあげるといいです。

3+2 8+4 5×3 などの単純な計算問題を紙に書いて「できるかな?」と聞きます。すると子どもは「こんなの簡単だよ!」と問題を解きます。

こうしてやる気スイッチを入れて、エンジンがかかった状態にしてあげることが大切です。

選択肢を提示して子どもに選ばせる

たとえば、「お昼ご飯の前に宿題をやっておいて、お昼の後に好きなアニメを見るのと、お昼の後に宿題をやってアニメは録画しておいて後から見るのと、どっちにする?」と聞き、子どもに選ばせます。

今すぐに宿題に取り組むのと取り組まないのでは、その後がどう違ってくるのか具体的なイメージを示して選ばせるのです。

すると、今から宿題をやったほうがよさそうだということがわかり、行動につながりやすくなります。どちらを選んだとしても、自分で選んだ責任を感じるので取り組むようになります。

ご褒美を設ける

テレビやゲームなど子どもにとっての誘惑は多いですが、ひと工夫すれば勉強の味方に変えることができます。テレビ番組は必ず録画をして、宿題が終わったあとのご褒美にします。

さらに、テレビに布をかけて隠しておき、宿題が終わったら布を取って「やった!テレビが見られる!」というワクワク感を演出してもいいですね。これはゲームやおやつにも使える技ですね。

「宿題をしたら100円」、「宿題を終わらせたら好きなものが買ってもらえる」といったご褒美はお金をもらえないとやらなくなるなど、エスカレートするのでNG。毎日の習慣にしている遊びやおやつなどの順番を変えてご褒美化するのがポイントです。

あと数日で新学期なのに宿題が終わってない…。親は手伝ってもいいの?

子どもがピンチの状態のときは、まず助けてあげてください。これをせずに、突き放したり、お説教するのはよくありません。そして、来年に同じことを繰り返さないよう、改善策を親が主導しつつ子どもと一緒に考えてメモをしておきます。

改善策とは…

  • 宿題のスケジュールを立てる
  • 宿題にとりかかれるハードルを下げる工夫をする
  • 子どもがやる気になる声かけをする
  • 親が必ず毎日の宿題の見届ける
    などです。

来年に向けて、覚えておきたい。宿題を計画的に終わらせるコツ

夏休みを7月中、お盆前、お盆、お盆後の4つに区切って、おおよその計画を立てさせるのがベター。

例えば…
7月中…問題集、計算ドリル、プリント
8月上旬〜お盆…読書感想文
お盆…お休み
お盆後〜8月末…自由研究 など。

子どもは経験不足から現実離れした計画を立てることがあります。そんなときは、親がアドバイスをして無理のない計画を立てられるといいですね。

「そもそも夏休み中に宿題を終えられない状態になるまで放っておいた親にも責任があると考えてください。私自身も親に泣きついて、やり残した宿題を片付けようとしていた子どもでしたが、何事も見捨てず突き放したりしない親だったからこそ、今の自分があると思っています」と親野さんは言います。

目からウロコのアドバイスばかりでした。計画的に宿題をこなすのは子どもにとっては難しいのはあたり前。親が上手にサポートしてあげて、できたときにはいっぱい褒めてあげたいと思いました。

取材協力:教育評論家・親野智可等さん

写真:Thinkstock / Getty Images

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