2021.01.08 Fri

窓の結露を放置するとトラブルの原因に 結露を防ぐ効果的な方法

暖房器具をつけることで室内の温度が上がりやすいこの季節。窓の結露に悩まされているご家庭も少なくないのでは? 結露を放置すると、カビが発生しやすくなり、家が傷む恐れも……。そこで、結露の発生原因や問題点、対策について、一級建築士の井上恵子さんに教えてもらいました。

窓ガラスの結露を放置すると
様々な困りごとの原因に!

窓ガラスの結露を放置すると、窓ガラスや窓枠、その隙間につめるゴムパッキン、カーテンなどにカビが生える可能性があると言う井上さん。

「ほかにも、湿気が原因で壁紙のビニールクロスがはがれることもあります。さらに、水分の滞留は柱や基礎など木材の腐朽の原因になりますし、水分が多い環境はシロアリに好まれるんですね。また、湿気が原因でカビが生えると、住まい手がアレルギーを発症し健康に悪い影響を与える可能性があります」

結露はどうして発生するの?

結露は、湿った暖かい空気が冷たいものに触れた時に発生することが知られています。
「例えば冬、室内の水分(水蒸気)が暖房で暖められ、冷えた窓に当たって水滴(結露)となります。人の呼吸や、石油ファンヒーター、ガスストーブ、ガスファンヒーターの使用時、調理時、洗濯物の室内干しなど、生活環境の中では結露が発生する原因はたくさんあります。結露とは、元々はなかった水がある一定の条件が揃ったときに発生するものなので、発生に気が付かない場合も多く、壁の中や天井裏など見えない部分に発生すると蒸発せずそのまま留まることもあるのです」

結露に注意すべき場所

結露発生の原因のひとつである洗濯物の部屋干し。部屋干ししたとき、どのような場所に注意したら良いのでしょうか。
「一般的に、結露が一番出やすい場所は窓ガラスと金属製の窓枠です。その他には、北側の壁際に置いた家具の後ろ側の壁や、家具の内側にも発生することがあります。また、同じく北側にあるクローゼットの内部の壁、床などに発生することもあるので、注意が必要です」

窓ガラスの結露を防ぐ方法

■除湿や窓開け換気は対症療法でしかない

窓ガラスの結露を防ぐ方法として、除湿をしたり、こまめに窓開け換気をしたりする方は多いのではないでしょうか。ところが、これはあくまで対症療法なのだとか。
「窓ガラスの結露を防ぐ手段として、“除湿する”“よく換気する”“カーテン・ブラインドを長時間閉めておかない”という対策は、やらないよりもやった方が良いと思いますが、残念ながら根本的な解決にはならないと思います。これは、結露の発生を抑えるためには住まい全体の断熱性能を上げることが必要であり、そのためには家全体の断熱性能向上リフォームなど大がかりな対策が必要になるためです」
しかし、こうした対策はすぐにできる対策ではありません。そこで、日々の暮らしの中で気をつけるポイントをご紹介します

■水分が発生しない暮らしをすることが大事なポイント

生活習慣の中で結露を発生しにくくする対策はあるのでしょうか。
「日々の生活の中でなるべく水分を発生させないようにすることが大切なので、まず、ご自宅に24時間換気システムがある場合は、止めずにずっと回しておきましょう。キッチンで調理するときには換気扇を回すことも大切です。ほかにも、クローゼットやタンスにものを詰め込みすぎず、定期的に扉を開けて内側の空気を循環させることも重要です。内部に扇風機の風を当てるのも効果的です。さらに、家具は壁ギリギリに置かず、背面に数センチの空間を取って空気が循環するようにしましょう」

結露防止シートが効果的

ひどい結露や、根本的な解決には、窓ガラスを単板ガラスから複層ガラスにしたり、内側にもう一枚窓ガラスを追加して二重窓にするなどの断熱性向上リフォームがオススメだと井上さんは言います。とは言え、賃貸住まいなどでリフォームや窓ガラスの交換ができない場合もあるでしょう。
「その場合は、室内側の窓に市販の結露防止シートを貼ったり、緩衝材を貼ったりしましょう。水滴取りワイパーでこまめに水分を取るのもいいですね。以前、寒い地域の賃貸マンションに住んでいた頃、緩衝材(プチプチ)と水滴取りワイパーを実践していました。プチプチの部分に包まれる空気層が断熱材の役割を果たしますし、シートは半透明なので窓に張っても部屋が暗くなりません。窓につく結露の量が少なくなり、断熱効果はあったと思います」。

結露対策として思いつくことといえば、一般的には除湿や窓開け換気。それに加え、カビの発生しやすい場所の空気の循環を良くしたり、水分が発生しにくい生活の工夫をしたり、寒い地域で日常的に利用されている断熱対策を取り入れてみたりすることも有効であることがわかりました。長年悩んでいた結露から大切な家を守るためにも、ぜひ試してみてくださいね。

教えてくれた人
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所所長
一級建築士/インテリアプランナー
井上恵子さん
2004年に住まいのアトリエ井上一級建築士事務所設立。保育園の設計・工事監理、All AboutやHOME’Sなど生活・住宅情報サイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナー講師などを務める。社会福祉法人桔梗「代沢ききょう保育園」で第12回キッズデザイン賞受賞(2018年)。

写真:

矢部ひとみ

ライター: