2021.05.28 Fri

梅雨前にやっておきたいベランダの片付け

梅雨から秋は、雨や台風の被害が発生しやすい時期です。それらの影響を受けて、ベランダが水浸しになったり、物干し竿などが飛ばされたりという被害を未然に防ぐ備えが必要です。そこで、雨や風が激しくなる前におさえておくべきベランダ対策を、防災士の小西玲奈さんに教えてもらいました。

6〜9月にかけての
雨風の傾向と特長

雨天が続く梅雨、そして短時間に大量の雨が降る豪雨、台風など、夏場の水害には注意が必要です。「6月中旬頃から1カ月ほど続く梅雨は、しとしとと降る長雨が特徴です。梅雨の終わり頃になると、九州など、日本の南側や西側を中心に豪雨に襲われる傾向にあります。8月上旬頃に起きやすくなるゲリラ豪雨は突発的に起こるため、気象庁でも予測が難しく、数十分の間に甚大な被害をもたらすことも。この被害件数は年々増加傾向にあり、水害対策の強化が求められます。そして、9月になると台風が日本に上陸しやすくなります。秋は秋雨前線と台風で大雨が続き大災害が発生しやすくなるので、水害と暴風対策を念入りにしておきましょう」

豪雨や台風シーズン到来前に
ベランダの整理を!

雨や風の影響を受けやすいベランダは、早めに対策を行うことが必要です。「梅雨時期は、ベランダの水はけをよくしておかないとカビが発生しやすくなります。ゲリラ豪雨が起きたときに排水口が詰まっていれば、両隣のベランダに大量の泥水が流れてしまったり、部屋の中に雨水が侵入したりする恐れもあります。8月に起きる豪雨や暴風雨で、台風並みの危険な状態になることも。今のうちから雨や風への対策をしておくことで、秋まで続く台風時も慌てずに対応できることでしょう」

ベランダのチェックポイント
【日常編】

1.こまめに排水口を掃除する

「土や砂ボコリ、落ち葉、洗濯物や布団から出るホコリや繊維、髪の毛などが雨水で排水口に流れ込むことで排水口が詰まることがあります。普段から掃き掃除をしておきましょう。排水口の内部にゴミが溜まってしまったら、割り箸やトング、小さいシャベルでゴミを取り除きます。その後、古ハブラシやスポンジなどで細かい汚れを掻き出してから、水で洗い流せば綺麗になります。ただし、排水口が隣家と共有だったり、水を流すことが禁止されていたりする場合は、共有部の掃除ルールに従ってください」

2.ベランダの水はけ対策をする

「排水口を掃除しないと、ベランダの水はけが悪くなります。それ以外にも、人工芝やフローリング材を敷いている場合にも注意が必要です。裏面に透水穴がある排水性の高い人工芝にするなど、水はけのよいものを選ぶようにしてください。水はけが悪いと、カビや虫も発生しやすくなります。人工芝やフローリング材のこまめなメンテナンスと掃除を心がけましょう」

3.コンテナを活用する

「分譲マンションであっても、ベランダは共有部分だということをご存知でしょうか。火災などの非常時には、ほかの部屋の住人の避難経路にもなるので、日頃から極力、物を置かないように心がけましょう。ベランダに置きたい荷物は、蓋付きの持ち運び可能な容量のコンテナにまとめるのがオススメ。耐荷重100kgくらいの頑丈なものを選べば、ベンチ替わりにも使えます。また、蓋付きのコンテナは震度5弱以上の地震時にトイレが使用できなくなった際、使用済みの非常用トイレの保管場所としても重宝します」

【豪雨や台風前編】

1.物干し竿をしまう

「台風や強風が想定される場合は、物干し竿が飛ばされてしまわないように、室内にしまいます。物干し竿を通す『物干し金物』がコンパクトに収納できる場合は、強風で折れないようにたたむことも忘れずに。室内にしまった物干し竿を縦にした際に、物干し竿の内部に入り込んでいた雨水が流れ出ることもあるので、古タオルで下をおさえておくと安心です。物干し竿を室内にしまうことが難しい場合は、結束バンドやストッパー、紐などで物干し金具に固定しましょう。室内にしまえる方でも、普段から突発的な強風対策として、物干し竿を物干し金具に固定しておくことをオススメします」

2.網戸のはずれ止めをセット

「網戸には脱落や落下防止のための『はずれ止め』が、一般的には網戸の上部左右に付いています。台風が接近したら、はずれ止めが正常な位置にセットされているかをチェックしましょう。暴風雨が予想されている際には、網戸が左右に動くのを防ぐために養生テープで固定するとさらに安心です。はずれ止めが付いていない場合や、サッシがゆるむなどして建て付けが悪くなっている場合、暴風時には網戸を外して室内にしまいましょう。網戸は窓の内側に付けられるタイプもありますので、それらを選択するのも暴風対策に有効です」

3.室外機の固定具合をチェック

「台風や強風で倒れた室外機は、実はとても危険。倒れた室外機を起こすときにケガや感電するリスクのほか、冷却用のマイナス温度のガスが吹き出し、それに触れることで凍傷になる恐れがあります。まずは倒れないようにしっかりと固定することが大切です。通常は『エアコン据付台』に固定されているはずなので、ゆるんでいないかをチェックします。『室外機転倒防止金具』で外壁と室外機が固定されているとさらに安心です。ただし、『室外機転倒防止金具』の取り付けには壁に穴を開ける必要があるので、マンションやアパートの管理会社に設置の確認許可を得てからの施工になります。そして、万が一室外機が台風時に転倒してしまった場合は、決して自分で起こそうとせず、設置した施工会社またはメーカーに相談して適切な判断を仰ぎましょう」

長雨や大雨、台風はもちろん、火災や地震時のことも考えて、普段からベランダにあまり物を置かないように心がけておくことが大切です。分譲マンションでもベランダは共有部分であることを意識して、日頃からベランダの掃除と整頓を心がけておきましょう。

<識者プロフィール>
防災士・ ひょうご防災リーダー ・ 応急手当普及員
小西玲奈さん
危機管理室と協働で小学生の親子向け減災教室や乳幼児を子育て中のママ向けの減災セミナーを開催しているほか、これまでに2,700人以上を対象に90回以上の講演活動やワークショップを行う。二児の母。
Instagram:@bousai_rena.konishi

写真:

矢部ひとみ

ライター: