2020.07.17 Fri

家事分担の不公平感は「名もなき家事」が原因!?

掃除や洗濯、料理と大きく括られる家事ですが、細部に目を凝らせばあふれ返るほどの小さな家事「名もなき家事」があることに気づきます。夫婦で家事シェアしているのに、どちらかの負担が多く感じてしまうのは、気づいていなかった「名もなき家事」のせいかもしれません。そんな「名もなき家事」の実態に迫ります。

我が家にもあるある!
5つの「名もなき家事」

「名もなき家事」とは、やっている人にしか分からないけど、実は大変だったり、量が多かったりして、積み重なって負担になっている細かな家事のこと。その小さな家事ひとつひとつに命名し、話題を集めているコピーライターの梅田悟司さんにお話を伺いました。無限に存在する「名もなき家事」に名前をつけることで、まずはあいまいだった家事を明確に認識しましょう。

1.「洗濯の選択」

手洗いにするか、洗濯機に放り込むかを判断する家事
洗濯には、洗い→すすぎ→脱水、ひいては乾燥までしてくれる有能な洗濯機でさえも太刀打ちできない「名もなき家事」が潜んでいます。
「それは、お気に入りの服を洗濯するときに生まれます。洗濯機ならラクに洗えますが、洗濯機で洗ってしまって生地が傷まないか、手洗いの方がダメージは最小限で済むんじゃないか、と葛藤しているうちに時間だけが過ぎていく……というジレンマの家事。愛着がある服こそ、どちらの洗濯方法にするかは悩ましいものです」

2.「間隔感覚」

ハンガーの間隔を何度も調整しながら洗濯物を干す家事
毎日、あふれ返る洗濯物。天気の良い日はお日さまに当てて気持ちよく干したいものです。限られたスペースにいかに効率よく並べるかが、洗濯物干しという家事のカギになります。
「洗濯物が少ない日は、物干し竿にかけるハンガーの間隔に余裕を持てるので、風通しがよくカラっと乾いて快適です。問題は洗濯物が多い日。残りの洗濯物を確認しながら、ハンガーの間隔を徐々に詰めていかなければなりません。結果、乾きにくいし、ハンガーは足りなくなるし、なんとなくモヤモヤします」

3.「リ・ポジショニング」

昨夜洗った食器を、水滴の有無を確認しながら食器棚に戻す家事
朝起きてキッチンに立ったら、水切りカゴに食器の山。まずは茶碗や皿の裏にたまった水滴を拭き取り、食器棚に戻す地味な作業からスタート。朝食の準備どころではありません。
「こんな家事もあったんだ!という、当事者しか知り得ない家事のひとつがこれ。使ったキッチンを元の状態に整える、“マイナスをゼロに戻す家事”があると、朝からテンションが下がります」

4.「タッパー神経衰弱」

タッパーのフタと容器を正しく組み合わせる家事
ご飯や常備菜など食品を保存するのに便利なタッパーは、大・中・小サイズをそろえて賢く使い分けしたいもの。
「そんな重宝するタッパーですが、便利さ反面、フタと容器を正しく組み合わせないと使い物にならないという欠点もあります。ついつい種類も増えがちで、煩雑に収納していると、いざ使うときにアタフタ。フタと容器のマッチングに手間取るという落とし穴が待っています」

5.「開閉地獄」

ゴミ袋の口をきつく閉めた後に新たなゴミが出て、どうにか開ける家事
まさかこんなところにも! ゴミ出しという、一見誰にも簡単にできそうな家事のなかにも「名もなき家事」が潜んでいます。
「ゴミ出しは奥が深く、なかでもやっかいなのが、家中のゴミを集めてゴミ袋にまとめ、口を閉じるという家事。朝食の準備や身支度で、新たなゴミが出てしまうと、ゴミ袋の口をきつく閉めたのに、新たなゴミをねじ込まなければなりません。なかなかねじ込めないという歯がゆい思いも生まれます。さらに付け加えれば、ゴミ出しの後には、ゴミ箱に新たなゴミ袋をセットするという家事も忘れてはいけません」

「名もなき家事」を知って
家事シェアをはじめよう

紹介した「名もなき家事」の例はほんの一部。暮らしのさまざまなシーンに目を凝らせば、「名もなき家事」が無数に存在していると、梅田さんは言います。掃除や洗濯、料理といった「名のある家事」は、そうした小さな「名もなき家事」の積み重ねです。細部を見える化し、「名もなき家事」の多さや大変さを認識することで、家庭内に労いや感謝の気持ちが芽生えるはず。さらには家事シェアのきっかけとなり、家事の効率化にもつながります。家事シェアで悩みを抱えるご家庭では、まずは家族で「名もなき家事」について話し合ってみることから始めたいですね。

イライラを回避!「名もなき家事」と上手につきあう方法

<プロフィール>
梅田悟司さん
コピーライター/3歳の愛息と奥様の3人暮らし。2016年から2017年にかけて、4カ月半の育児休暇を取得。当時を振り返ってTwitterに投稿した「育休を4カ月取得して感じたこと」が反響を呼び、累計1200万PVに。著書に、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)他

写真:

伊藤大作

ライター: